桜の季節に…

桜の季節が来る度に思い出す人。


彼女は、学生時代
同じ釜の飯を食べた仲間のひとり。

何十年もの時間を経て再会したのが
数年前。
都会でバリバリ働いていて
さっぱりとした性格は
大人になってもそのままだった。

寮生活ではそれほど親しいわけではなかったが、大人になってからの新しい関係が楽しくて
あのときの再会には本当に感謝♡だった。

おばあちゃんになっても
ずっとずっと続くんだろうと
みんな思っていた。
それからまもなくのこと、
彼女はあっという間に
天国に行ってしまった。

電話で病気になったことを聞かされたとき
「私、多分大丈夫だと思うんだよね。」
と、根拠のない自信で笑った彼女。

そのあと何度か会ったけれど
私に気遣い、気丈に振る舞っていた彼女。

それから実家のある北海道で
療養することになり、数ヶ月後
訃報をきいた。

ちょうどその頃、
まだ悲しい知らせを受けとる前に
私は地元の桜の写真を
彼女に送っていた。

「お元気ですか?
長野の桜は満開です。
そちらは、まだまだこれからだね。
楽しみだね。

また会えるのを楽しみにしてるよ。
じゃあ、またね。」

既読がつくことはなかったラインだったが、絶対彼女に届いていたと思っている。
これも根拠のない自信。笑

今思えば、最期のお別れをするために
私たちは巡り会えたのだろうか、
とさえ思えるほどあっけなく逝ってしまった彼女。

桜の季節になると
私たち同じ釜の飯仲間は
同じ気持ちで空を見上げる。

長野の桜はまだまだこれから。

春は嬉しいけれど、ちょっぴり悲しい季節でもある





ayusucre

サロンシュクルオーナーの日々のこと。伝えたいこと。大切なもの。好きなもの。

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